ひざの痛みを訴える人は多く、日常生活に支障をきたす激しい痛みをかかえた患者さんもいます。痛みの原因がひざ軟骨にある場合は深刻で、痛みを和らげる治療はあっても、損傷したひざ軟骨を、健康な状態に戻すことは難しいのが現状です。 軟骨の組織には自己再生能力がないため、大きな傷が自然に治ることはないのです。 そこで、富士フイルムグループ ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング*は、広島大学の越智光夫教授より技術移転を受け、日本で初めて自家培養軟骨をつくる技術を確立しました。 *株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは富士フイルム株式会社の子会社です。 |
患者さんのひざ軟骨0.4gから取り出した細胞を培養すると、約4週間で自家培養軟骨が完成します。この自家培養軟骨を患者さんに移植*すると、傷ついた軟骨が修復され、ひざの症状や痛みが和らいで、健康な状態に近づいていきます。 拒絶反応もなく、自家培養軟骨が安定すると、歩くことはもちろん、スポーツを楽しむこともできるようになり、患者さんに笑顔が戻ります。 *適応対象は、「外傷性軟骨欠損症」または「離断性骨軟骨炎」(変形性膝関節症を除く、欠けた軟骨の面積が4cm²以上)です。 |
コラーゲンを加工する技術やミクロの世界で化学反応を制御する技術。写真の分野で培われた富士フイルムの技術が、iPS細胞など、再生医療の進化につながっています。 再生医療をもっとあたりまえの医療に。 |